先日ET-WESTに出席しパネルディスカッションを行ってきました。
今回のメルマガはこのときの少し話したことを書きます。
パネルディスカッションは、8月5日グランフロント大阪で行われました。
会場は展示会の少し横のスペースです。
展示場は、IoTの機器やソフトェアを出展していました。
私は、ここでIoTのプロフェッショナルの方々5名と
「IoTプロが集う地域コミュニティ活動から見えてくる現状のIoTの実情と今後の展望」
というタイトルでディスカッションを行ってきました。
ディスカッション中の意見や私の意見の総括するなかで、
IoTの導入はステップを分けて導入すると良いという話がありました。
今は導入しやすい環境になってきているので、
お試しパックを使って導入するというのも検討の一つに入れるべきだ言うことです。
導入ステップとしては、以下の4ステップです。
小さく始めて大きくしていくイメージです。
1.やりたいことを挙げる
2.入手しやすいお試しパックを探す
3.お試しパックが合いそうなら試す
4.試してみて足りない部分を探す
考え方としては、現場の意見を改善していくボトムアップ的な手法です。
少し具体的に記します。
1.やりたいことを挙げる
ここでは、現場の課題をできるだけ多く出します。
非効率と考えている部分や
何度も同じ作業をしている業務、
手作業に頼っている測定などを洗い出します。
どうやったら解決できるかは考慮せずに、
困っていることを洗い出します。
このとき、当事者が不便と感じているものは、
まず洗い出してください。
また、他人から指摘をしてもらうのも大切です。
なぜなら、自分の日常の作業に慣れてしまうと、
あまり不便と感じなくなっている場合があるからです。
例えば、部門に配属された新人に
「変だ」と感じるところを指摘してもらうのも良い方法です。
2.お試しパックを探す
昨今、
「IoTお試しパック」「IoTエントリーパック」という名前で、
簡単にIoTが導入できるパッケージがあります。
例えば、温度や湿度を一定の時間で監視して、
クラウドにそのデータを保存する製品の組み合わせがあります。
これらは、温度と湿度のセンサーとその受信機器
およびインターネットへ接続してクラウドに保存する
ということを少しの設定で行ってくれます。
値段は、10万円から20万円ぐらいのものが
多く発売されています。
センサーも、動きや赤外線などがあり、
やりたいことがおおよそできると思います。
3.合うなら試す
10万円という金額が高いかどうかの判断ですが、
不便の解消に近いのであれば、導入してみることをおすすめします。
IoTは、ITやセンサー、ネットワークやクラウドという
複合技術の組み合わせです。
ですので必要な知識が広範囲に渡ります。
この知識を蓄積するために、
調査したり、試してみたりする時間ががもったいないでしょう。
そう考えると10万円は決して高くないと思います。
4.足りない部分を探す
試してみると、まず
IoTというのはどういうことかを感覚的に理解できます。
例えば、今回購入したお試しセットで温度を図ろうとすると、
・一つのセンサーでは足りずに複数箇所の温度を測ったほうが品質が良くなる
・動作を取得するのであれば、上下の動きを一定の幅で感知すれば十分だ
・自社の製品に組み込むのであれば、センサーを探したり開発すれば足りるのだ
などということを理解できます。
試した内容に何を足せば自分たちの考えていることに近づくか
ということを知ることができます。
あとは、この足りないところを知っておき、
インターネットや展示会で探しておくと、
ちょうどよい製品やモジュールが見つかります。
お試しパックを購入した時点では、
技術的に困難だった内容が解決していることが多いからです。
今回はボトムアップ的な手順を紹介しました。
もちろんこの手順以外に、
トップダウン的な手法に基づく導入方法もあります。
例えば、経営的な視点でみて
どこに導入すれば最も効果的かを診断するIoT診断を活用した方法です。
IoT診断については、また後日お伝えします。
今回は、ボトムアップ的な手法に基づくアプローチも大変有効だと認識した展示会でした。